Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

やること・やらないことの決め方

時間管理の質を大きく左右するのは、「やること」を決めるだけではありません。「やらないこと」を決める力こそが、研究者としての成長や成果に直結します。

研究の世界における「選択と集中」

研究者の時間は有限であり、全てのアイデアやタスクに手を出すわけにはいきません。限られたリソースの中で、何に集中するかを選ぶ必要があります。

  • やることの基準

    1. 研究の核となる問いやテーマに直結するか。
    2. 自分の成長に寄与するか。
    3. チームや研究室に価値をもたらすか。
  • やらないことの基準

    1. 重要度が低く、緊急性だけが高いもの(他者の都合に振り回される雑務)。
    2. 自分の強みや方向性から逸れた活動。
    3. 成果のない過剰な完璧主義。

断る力を持つことの大切さ

特に若手研究者や学生は、「頼まれたことは全部やらなければ」という感覚に陥りがちです。しかし、すべてに応じていては自分の研究が進まないばかりか、体力も気力も削られてしまいます。 断ることは冷たいことではなく、研究の質を守るための重要な戦略です。

具体的には:

  • 相談や依頼を受けた際、「これは自分の研究・成長につながるか?」と一呼吸おく。
  • 丁寧に事情を説明し、断る。
  • 必要な場合は代替案を提案する(例:「今は難しいですが、来月なら」)。

小さな決断を積み重ねる

やる・やらないの判断は一度決めて終わりではありません。日々の中で小さな選択を積み重ねることで、時間の質は磨かれていきます。 「今日やらないことを1つ決める」だけでも、時間の余白と集中力が生まれます。

この章のまとめ

  • 「やらないことを決める力」は、研究者の時間管理の核心である。
  • やる・やらないの基準を明確にし、練習として日常で小さな決断を積み重ねる。
  • 断ることは冷たいことではなく、質を守るための戦略である。