リサーチアジェンダの設定
研究が一段落したとき、私たちはよく「次に何をするか?」という問いに直面します。 ここで重要になるのが、リサーチアジェンダ――すなわち自分の研究計画や中長期的なテーマの見通しです。
リサーチアジェンダとは何か
リサーチアジェンダとは、単なる「やりたいことリスト」ではありません。 以下の要素を含む、戦略的かつ柔軟な計画です。
- 自分の興味や問いの核心は何か
- その問いはどのような研究分野、テーマ、手法につながるか
- 短期・中期・長期でどのような展望を描くか
- 他者(研究コミュニティ、社会)にとってどんな意義があるか
このように、アジェンダは 自分と社会のあいだに橋をかける設計図 といえます。
アジェンダを立てるための視点
アジェンダ設定に迷ったときは、次のような問いを自分に投げかけてみましょう。
- なぜこの問いが自分にとって重要なのか?
- 現状の知見や方法で何がわかり、何がわかっていないのか?
- 誰のどんな問題解決に貢献できそうか?
- どんなスキルやリソースが必要か?
- 小さなプロジェクトを積み重ねて中長期的な展望につなげられないか?
こうした問いを掘り下げることで、漠然とした「興味」を具体的なテーマや計画に落とし込めるようになります。
アジェンダは進化する
重要なのは、アジェンダは固定された計画ではないということです。 研究を進めるなかで問いや関心が変わったり、新たな視点が生まれたりするのは自然なこと。 その都度アジェンダを見直し、アップデートする柔軟さが求められます。
この節のまとめ
- リサーチアジェンダは、自分の問いを中長期的に整理し、社会と接続する計画である。
- 自分の関心、課題の重要性、必要なスキルを問い直し、具体化していく。
- アジェンダは固定ではなく、研究の進展に応じて進化させていく柔軟性が重要である。