研究室での成長のしかた
成長の基本姿勢
古池研究室での成長は、単なる技術の習得や論文数の増加ではなく、 「研究者としての考え方と態度を培うこと」 にあります。
研究とは、問いを立て、仮説を立て、方法を選び、結果を吟味し、 他者と対話しながら知を練り上げていくプロセスです。 この過程にじっくり取り組むことで、表面的なスキルを超えた 深い思考力、批判的視点、問題発見・解決能力が養われます。
研究の成長は急激には訪れません。 しかし、一見小さな試行錯誤や失敗の積み重ねが、 後から振り返れば飛躍の種になっていることがほとんどです。
成長を支える4つの柱
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主体性の発揮 指導者の指示を待つのではなく、自ら問いを立て、調べ、試す。 研究では「何をすればいいですか?」という受け身の姿勢ではなく、 「これを試してみたいのですが、どう思いますか?」という能動的な姿勢が求められます。
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対話と協働 自分のアイデアを人に話すことで気づきが生まれ、 他者の議論からは新しい視点を得られます。 研究室内では、自分のテーマだけでなく、仲間のテーマにも関心を持ち、 建設的な議論を心がけることが重要です。 その積み重ねが研究室全体の知的雰囲気を豊かにします。
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失敗を恐れない 失敗は研究の核心です。失敗したとき、 うまくいかなかった理由を分析し、修正案を練ること自体が 研究力の鍛錬につながります。 「失敗したくない」と臆病になるより、 「早めに小さな失敗を積み重ねる」方が長期的には大きな前進につながります。
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振り返りと再設計 定期的に立ち止まり、進捗をレビューし、計画を見直す習慣をつけましょう。 自分一人では難しければ、指導者や仲間に相談することで 視野が広がります。 リフレクション(内省)の習慣は、研究者にとって一生の財産になります。
キャリアと研究の接続
研究を通じて得られる力は、学問の世界だけに閉じません。
- 問題発見・解決能力:複雑な課題を整理し、打開策を見出す。
- 論理的思考力:主張を明確にし、根拠を積み重ね、説得力を持たせる。
- 協働力と対話力:異なる専門や立場の人と意見を交わし、合意形成する。
- 自己調整能力:計画を立て、実行し、修正し、目標に向かって歩む。
さらに、自分のテーマの背後にある普遍的課題や、 学問領域内外の接続を意識できると、 研究は一気に視野の広がる営みとなります。 「なぜ自分はこのテーマをやっているのか」「この知見はどこにつながるのか」 という問いを持ち続けましょう。
この章のまとめ
- 成長は、考え方と態度を養うことにある。
- 主体性、対話、失敗の活用、振り返りが成長を後押しする。
- 研究を通じて得た力は、学問を超えてキャリアや人生の礎となる。
- 個別のテーマを超えた普遍性や接続性を意識することで、 研究の意味と楽しさが一層深まる。