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付録の概要

この付録「古池研究室の世界」では、古池研究室のミッション、研究テーマ、文化、そして強みを紹介します。

本書では研究者として生きることの様々な側面について探求してきました。この付録では、それらの理念や実践が実際の研究室でどのように具現化されているのかを、古池研究室を例にご紹介します。

古池研究室の取り組み

古池研究室は、「人間の思考と学習を最適化するシステムをいかに開発できるか」という根本的な問いに向き合っています。この問いに応えるため、認知科学、学習科学、教育心理学、人工知能、知識工学、教育工学、ヒューマン・コンピュータ・インタラクションなど、多様な学問領域の知見を統合し、モデル構築・実装・分析という一連の流れに強みを持っています。

研究室では現在、以下のような特色あるプロジェクトが進行しています。

CHUNKでは、人間の知識のチャンク化(塊化)に着目し、学習の効率性と拡張性を高める仕組みを探求しています。CLOVERでは、多様な外部表現と学習者の誤りを積極的に活用し、個別最適化された学習支援を実現しようとしています。OCEANでは、情報に満ちた現代社会において、意思決定と学習を支援するエージェントの開発に取り組んでいます。

これらのプロジェクトに共通するのは、個人の認知プロセスを深く理解し、それに最適化された学習支援を提供するという理念です。

研究室の教育理念

古池研究室では、技術的な成果と同じくらい、研究に取り組む姿勢や文化を大切にしています。課題と活動の設計を重視し、質の高い学習体験を生み出すこと。学習者に負担をかけずに認知の本質に迫ること。失敗から学ぶ文化を育むこと。これらの価値観が、日々の研究活動の中で実践されています。

付録の構成

この付録では以下の内容を詳しくご紹介します。

  • 古池研究室のミッションとビジョン
  • ITS(知的教授システム)研究の特徴と魅力
  • モデル・実装・分析の研究アプローチの強み
  • 具体的な研究テーマとプロジェクト
  • 研究室の文化、ルール、成長のしかた

研究室への参加を検討している方、すでに所属している方、あるいは自分の研究の立ち位置を考えたい方にとって、この付録が一つの参考例となることを願っています。古池研究室がどのような問いを持ち、どのような価値を重んじているかを、ぜひ感じ取ってください。

一つの研究室の取り組みを通して、研究者として生きることの具体的な姿が見えてくれば幸いです。