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査読・フィードバックを受ける

論文を投稿すれば終わり、ではありません。むしろ、そこからが研究者としての成熟が問われる重要なステップです。査読プロセスは、第三者の専門家が論文を評価し、質や新規性、妥当性を確認する仕組みです。これを通じて論文は磨かれ、研究者自身も成長していきます。

査読コメントを受け取ったとき

査読コメントは時に厳しく、予想外の指摘が含まれることもあります。しかし、それは「攻撃」ではなく、論文をより良くするための建設的な提案です。まず深呼吸し、感情的な反応を抑え、コメントを冷静に読み解きましょう。

重要なのは、指摘の背景にある意図を探ることです。どの部分で論理が不十分だったのか、なぜその疑問が生じたのか。コメントを「単なる直し指令」と受け取るのではなく、論文全体の説得力を高めるヒントとして活用する視点が求められます。

査読対応の基本

査読対応では、コメント一つ一つに丁寧に答え、修正の意図と内容を説明します。このとき、

  • 相手の指摘を軽んじない
  • 修正しない場合は納得できる理由を明示する
  • 感謝の言葉を忘れない

といった態度が非常に重要です。査読者は貴重な時間を割いてコメントを書いてくれています。彼らの時間と労力に対する敬意を忘れず、建設的かつ誠実に対応しましょう。

メンタル面のマネジメント

初めての査読は特に、精神的に堪えることがあります。不採録(リジェクト)や厳しいコメントに落ち込むことは珍しくありません。しかし覚えておいてください。査読は論文に対する評価であって、あなたの人格や能力を否定するものではありません。

信頼できるメンターや共同研究者に相談し、視点を整理してから対応することも有効です。研究者は批判に対して強靭である必要はありませんが、批判を成長の糧にするしなやかさは必要です。

この節のまとめ

  • 査読は論文を磨き、研究者を成長させる機会である。
  • コメントを感情的に受け止めず、意図を読み取り、論文改善のヒントとする。
  • 対応では誠実さ、敬意、感謝の気持ちを忘れずに。
  • 査読は人格否定ではない。必要なら周囲の力を借り、しなやかに対応する。