Keyboard shortcuts

Press or to navigate between chapters

Press S or / to search in the book

Press ? to show this help

Press Esc to hide this help

第1部の概要

第1部「なぜ『研究者』か」では、研究の技法や知識に入る前に、まず 研究者として生きる意味や価値 について考えます。

研究は特別な人のための活動ではありません。 むしろ、「問いを持って世界を探究する」という営みは、私たち一人ひとりの人生を豊かにしうるものです。

この部では、まず良い人生とは何か、幸せとは何かという根本的な問いから始まり、研究という営みがいかに生産的で創造的な活動であるかを探究します。続いて、研究の場で必ず立ち向かうことになる困難や挫折、そして内発的動機の重要性について考察します。最後に、学部生・修士・博士・職業研究者としての多様な研究者像を描き出し、あなた自身が歩む道を見つめ直すきっかけを提供します。

これらの探究を通して、研究を 「技術」ではなく「生き方」 として捉える視点を提示します。 また、「自分は研究に向いているのか?」という問いに向き合うための土台も用意します。

研究室に入ったばかりの人も、進学を考えている人も、この部を読みながら、ぜひ自分の心に問いを立ててみてください。研究者として生きることは、単に論文を書いたり実験をしたりすることではなく、世界と自分自身に対する深い探究の姿勢を持ち続けることなのです。