プロジェクトの回し方
研究プロジェクトは、一般的なプロジェクト管理の型がそのままでは使えません。結果が予測できない作業が本体なので、計画時に見えていなかった問題が出てくることを最初から織り込む必要があります。型を借りつつ、不確実性に耐えるように緩めて使うのが現実的です。
目標は階層で持ちます。プロジェクト全体の成果、半年から1年のマイルストーン、月次や四半期のタスク、その日にやること。この四層があると、目の前の作業が何のためのものかが見えます。大きなプロジェクトは管理できる単位に分解し、タスク間の依存関係を押さえて、遅れると全体が遅れる経路を特定しておきます。どこに余裕があってどこにないかを知っているだけで、判断が速くなります。
時間の見積もりには三点見積もりが使えます。楽観値 O、悲観値 P、最可能値 M を出して、期待値を (O + 4M + P) / 6 で計算する。研究者の見積もりは楽観に寄るので、この補正は実際に効きます。
進捗は短いサイクルと長いサイクルの両方で見ます。週次では完了と遅延、その原因、来週の優先順位。月次や四半期では、マイルストーンの達成状況、予算と時間の使用実績、計画修正の要否。短いサイクルだけでは長期目標から外れていることに気づけず、長いサイクルだけでは足元の遅れを見逃します。
リスクには型があります。手法が期待通り動かない技術的リスク、データが入手できない・品質が想定以下というデータのリスク、競合グループによる先行発表や制度変更といった外部環境のリスク、資金削減や協力者の離脱というリソースのリスク。すべてを潰そうとすると時間が足りないので、影響度と発生確率の掛け算で上位にだけ手を打ち、残りは起きたときに慌てないよう記録だけしておきます。
自分の時間の使い方は、1〜2週間記録してみると流出先が見えます。会議とその準備に流れている時間は、たいてい自覚より多いです。